日本は確実に衰退する!

投稿者: | 2024年8月10日

 将来予測として最も確実なのは人口予測である。予測値については多くのところで触れられているので、ここでは書かない。その対策もいろいろ語られているが、人口が増えない最大の要因はこの国の将来に希望が持てないことにある。

 自民党政権下における施策を見ると、いかに資本に有利な政策ばかりがとられているかが分かる。史上まれにみる低金利と貨幣の供給はだれを利したのであろうか?この異次元のインフレ政策は国民を窮乏化した半面、税収は上がり、企業にとっては極低金利の資金を調達可能とした。これで産業が発展して可処分所得が上がればいいのだが、事態は窮乏化しただけである。

 アベノミクスと異次元緩和は結果からみると悪政としか言いようがないのであるが、今でもアベノミックスを評価するものが絶えないのはどうしたものか?

 日本は世界でも稀にみる行政手続きが複雑な国家だと言われている。なぜそうなるのであろうか?まずは社会構造を見てみよう。行政プロセスに関与する組織として、政治組織、行政組織、産業別中間組織、末端組織が想定される。何か新しい施策を実施すると考えてみよう。ウーバーやドローンでもいい。

 ウーバーを導入するには中間組織である「一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)」にお伺いを立てることになる。当然、全タク連は自己の利益が侵食されるため反対する。行政は天下り先の中間組織に配慮し、いろいろな理由付けをして、不便極まりない日本版ウーバーでお茶を濁す。新しい制度を導入して国民生活の利便性を図るよりも既得権を優先することで、新しい芽を摘み新規産業が発展することを阻害する。

 ドローンでも同じことである。ドローンの操縦資格や飛行範囲を決める天下り先の中間組織を業界と組んで設立し、自由な使用環境を狭め、多くの手続書類を要求する。その後、ドローンの技術は格段に進歩して、安全性は確実に向上しているにもかかわらず、中間組織の維持のために行政プロセスを変えることは稀である。こうしてまた、進歩の芽を摘むのである。

 官僚は産業別業界団体を創らせ、産業界から運営資金を出させる。一方、官僚は天下りポストを要求し、その見返りとして種々の補助金制度を設立する。政治家は献金と選挙での組織票と応援を期待する。この鉄の三角形において個人や家族は視野の外になる。政権交代のない社会ではこの鉄の三角形を崩すことはほぼ不可能である。

 日本では個人や家族の幸福追求よりもこの鉄の三角形の利益が最優先され、本来なら行政プロセスも直線で結ばれるものをわざわざ利益団体を経由するよう曲線で実施される。つまり、お金(税金)と時間が浪費され、行政施策の効果が希薄になるということである。加えて、鉄の三角形を守るため、行政施策の効果検証もほとんど行われず、行政プロセスを見直し再構築しようという機運もなかなか生まれない。

 さらに問題なのは学問的知見による行政施策の選択より、鉄の三角形の利益や既得権を守るための政策が優先され産業の発展や国民の得るべき利益が棄損される。これにより数十年にも渡って経済が停滞しているのである。

 国民もこのような状況に反発することなく、現状に甘んじ変革しようとする気力もない。国民を大雑把な階層に分ければ知力も資力もあって、国という枠を軽々と飛び越えることができる国民と、国家という鳥籠のような存在に気づき不満を抱えながらも籠から出ていく勇気と能力がない階層、最後の階層は国家に対する不満も期待も持たない、そもそも政治や行政に対して何の関心もないか、不満を抱えながらも行動を起こすほどの体力がない階層に分けられる。そして数的にはこの最後の階層が圧倒的に多い。

 なぜそのようになるのかについては別稿で述べる予定である。

 このようなことを続けている限り、日本経済が再浮上することはなく、人口減少とともに静かに衰退していくだけである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です